【統計検定2級】幾何平均

幾何平均

幾何平均は、掛け算して、掛け算した個数分のn乗根です。
文章では伝わりづらいので、例示して説明します。

例①:8と2の幾何平均
 まずは掛け算をする・・・8×2=16
 データは2個なので、2乗根を計算する・・・√16=4
 以上より、8と2の幾何平均は、4になります。

例②:4と8と2の幾何平均
 まずは掛け算をする・・・4×8×2=64
 データは3個なので、3乗根を計算する・・・∛64=4
 以上より、4と8と2の幾何平均も、4になります。

幾何平均の使用例

幾何平均の使用例に、「上昇率」があります。売上の上昇率、給料の上昇率、物価の上昇率などです。

ここでは、売上の上昇率を例に説明します。
売上の上昇率が次のようになった時の、平均上昇率が幾何平均です。

よし!習った通り全て掛けて… と、残念ながらそうはいきません。
幾何平均はマイナスが扱えませんので、表現を変える必要があります。

幾何平均の考え方は、「X倍!Y倍!Z倍!これらをならすと、1回あたりは、∛XYZ倍!」というものなので、○倍の形に変換します。

というわけで、前年から何倍になったかで表します。

ここから計算スタートです。
まずは掛け算をする・・・1.10×0.98×1.30×0.95≒1.33
データは4個なので、4乗根を計算する・・・∜1.33≒1.07

幾何平均は1.07となりました。
つまり、この4年間は平均7%ずつ上昇したことになります。

幾何平均の応用計算

次のような売上となった場合、2016年から2020年にかけて、平均何%ずつ上昇したと言えるでしょうか。

前章の上昇率が提示されず、売上データが提示されたパターンです。 

先に、算出方法から示します・・・∜(13313/10000)≒1.07

2016年から4年かけて、¥10,000→¥13,313と上昇しました。
従って、4年間の上昇は「1.3313倍」、1年平均の上昇は「∜1.3313倍」となります。

  

上記の式は、前章の定義からも導くことができます。
「まずは掛け算をする」ということで、前年から何倍になったかを全て掛けます。

順に、2016年→2017年で何倍になったか、2017年→2018年で何倍になったか、2018年→2019年で何倍になったか、2019年→2020年で何倍になったか、を掛けています。

この式は約分できるので、次の通り削除します。

最後に、データが4個なので、4乗根を計算すると、∜(13313/10000) の式が導かれます。

まとめ

幾何平均は、掛け算して、掛け算した個数分のn乗根で求まります。
マイナスの値は扱えません。

主な使用例は。平均上昇率です。
売上の上昇率、給料の上昇率、物価の上昇率などが該当します。

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